内定取り消しの可否と問題点を教えてください。
判例は、採用内定の法的性質を「解約権留保付労働契約」と解しています。すなわち、採用内定により、労働契約自体は成立していることとなり、一定の場合には内定を取り消すことが認められるのです。
そして、どのような場合に内定の取り消しが許されるかですが、「解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認」される場合に限定されます。
具体的には、採用内定者が大学を卒業できなかった場合、病気等の理由により就労が困難な場合などには内定取り消しが認められるといえます。
面接の際に提出した履歴書等の虚偽記載については、虚偽記載が重大で、労働者としての適格性に欠けることとなる場合には内定取り消しが認められることとなります。