従業員を解雇する際の注意点を教えてください。
解雇は、使用者による労働契約の終了の一方的意思表示であり、本来自由に行えるものです。
ただし、現在の法律の下では、解雇に対して様々な規制があります。
第1に、解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして無効とされます(労働契約法16条)。
第2に、個別法令において、解雇が制限される場合があり、業務上の傷病の場合、産前産後の休業期間中の場合、法違反の申告等を理由とする場合など、解雇が制限されます。
事業上の必要から従業員の解雇を検討するに際しては、あとで解雇の効力を否定されないよう慎重な検討が重要です。万が一、後の解雇の効力を争われ、否定されると、労働者に多額の解決金(数百万以上となることも多い。)を支払うなどのコストがかかります。何よりも慎重な事前の判断によって、無駄な紛争、無駄なコストをかけないことが重要です。