父親から非公開会社の株式を相続した。しかし、自分で持っていても意味がないので他人に譲渡したい。どういう手続きをとればよいか。また、売買価格はどうやって決めればよいか。

中小企業など非公開会社の場合には、①会社の承認がない限り株式の譲渡を認めないという株式譲渡制限の規定(定款)があることが多く、②株式の市場価格の判定が難しいという問題点があります。

会社の定款や商業登記簿を確認し、株式の譲渡制限規定の有無をまずは確認してください。

 

その上で、会社に、ある人に譲渡を希望しているので譲渡承認をして欲しいと通知し(会社法136条)、これに応じてもらえればその人に譲渡することとなります。

会社が承認しない場合には、会社において買い取ってもらう(会社法140条1項)もしくは、会社が買い取りの相手方を指定する(会社法140条4項)こととなります。

 

次に、譲渡の価格については、こちらの希望する買取人に対する譲渡の場合には、当事者間で金額を決めることとなります。

買取人が会社になる場合には、会社との協議で決めることとなります(会社法144条1項)。協議が決まらない場合には裁判所に価格決定をしてもらうこともできます(会社法144条2項)。

 

その他、譲渡制限のある株式の売買には複雑な法的論点が絡みます。また、各手続きにはいずれも厳格な期間制限があります。したがって、譲り渡しを希望する個人側でも、譲渡承認の通知を受けた会社側でも早急な対応が必要です。

 

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