情報通信業

1 情報通信業の概況について

情報通信業は、2で説明するとおり、5つに分類される業態をまとめた呼称です。そのため、その概況を理解するに際しても、これら5つの業態の実情を踏まえた整理が必要になります。

第1に、①通信業については、5Gエリアの拡大による携帯電話の高速大容量化やIoTの進展にあるように、これからも大きな成長が期待される業態です。

ただし、IoTの進展のためには、物とインターネットの常時接続が必要であり、開発コストや普及率の向上が課題です。

また、5Gについては、前提として5G対応スマートフォンの普及と通信インフラの整備が重要ですが、いずれも大きなコストが必要となります。

その上でいずれについても通信業は多大な個人情報を扱う分野であることから、顧客の個人情報の取扱についての厳重な管理も課題となっています。

第2に、②放送業については、インターネットやスマートフォンの圧倒的な普及、TV放送以外のデジタルコンテンツの普及により若者のTV離れは進行しています。

そのため、放送業としての売上高は、この間、ほぼ横ばいの状態が続いています。

そのため、今後は放送業そのものとしての大きな成長を期待し難い分野とも言われています。

第3に、③情報サービス業においては、システムエンジニアを始めとした高度専門職の人材不足が顕著です。

これは理系出身者が十分でないこと、外資系の企業との人材獲得が激化していることにあります。

そのため、情報サービス業においては、今後、如何にして優秀な人材を確保し続けるかが重要な課題となることは間違いありません。

第4に、④インターネット附随サービス業は比較的新しい会社が多い業態であり、まだまだ成長余力の大きい業界と言えます。

他方で、企業間の人材獲得競争も激しく、また企業としての変化が大きい業態でもあることから、今後は如何にして安定して市場に受け入れられるサービスを提供できるか、シェアを獲得し続けられるかが問われる業態だと考えられます。

第5に、⑤映像・音声・文字情報制作業については、映画等に関し、多くのヒット作品が生まれ、海外でもその評価を高めているという特徴があります。これはアニメについても同様で、日本国内の少子化という実情を踏まえつつ、海外での販路を確保するという生き残り戦略に成功していると言えます。

他方で、これらの制作に必要な人材については、賃金の低さや過酷な労働環境のため、今後、引き続き重要な課題となると見られます。

他方で、新聞、出版の分野では、出版物の販売金額は減少傾向にあることや、電子出版の割合が増加していることに注意を向ける必要があります。

すなわち、従来型の紙媒体での出版は今後、減少の一途を辿ることから、電子出版の方法に活路を見出していくことが重要になります。

2 情報通信業の特徴について

情報通信業とは、総務省の日本標準産業分類において、①通信業、②放送業、③情報サービス業、④インターネット附随サービス業、⑤映像・音声・文字情報制作業の5つに分類される業態のことを指します。

①通信業には固定電話業、携帯電話業、②放送業にはテレビ放送、ラジオ放送、③情報サービス業にはソフトウェア、情報処理等、④インターネット附随サービス業にはネットショッピングサイトの運営、ウェブコンテンツ提供等、⑤映像・音声・文字情報制作業には映画・ビデオの制作、アニメーションの制作、レコードの制作、新聞、出版などが含まれています。

3 情報通信業において発生しやすい法的トラブル

このように情報通信業は、一言で説明することは難しいほど多様な業種が含まれており、多彩な法律問題が生じ得る業態です。

こうした情報通信業においては、おおまかに以下のような法律問題が潜在化しているといえます。
①労務問題(フリーランスとの委託契約を含む)
②著作権問題
③契約書の作成上の問題
④風評被害

4 情報通信業特有の法的問題への弁護士による対応

以上のような情報通信業においては、日ごろから顧問弁護士を通じて、他社(他者)による著作権侵害に対する対応(ネット上に蔓延する違法コピー含む)や、フリーランスとの委託契約を含む労務問題、請負先との請負契約、業務委託契約の内容の精査、ネットショッピングの顧客からの書き込みなどに対する風評被害対策を講じることが重要です。

情報通信業の抱える以上のような問題に対して、顧問契約によらずに個別対応をとることも可能です。

5 弁護士に依頼するメリット

以上のような情報通信業の問題に照らし、必要な助言や対応をその都度とるために、労務問題、著作権問題、風評被害等の経験のある当事務所にご依頼頂くことは安心して事業を継続するために非常に有効だといえます。

6 まずは弁護士にご相談ください

以上のような各種問題にお悩みの企業様は、これらの問題に詳しい当事務所へぜひご相談ください。