病院・クリニック

1 病院・クリニックの概況について

人口減少、少子高齢化が進む日本社会においては、病院・クリニックもその影響を避けることはできません。

そうした中、全国の医療施設は令和4年において、令和3年に比べ697施設増加しています。

増加したのは一般診療所が多く、歯科診療所はほぼ横ばいの状況が続いています。

他方で、病床数は10,332床の減少となっています。

病院・クリニック経営に際しては、このような病院数の状況、病床数の減少状況を踏まえた対策が必要です。

また、2024年4月には医師の働き方改革が施行される影響や電気料金、医療材料等の値上げの影響もあります。

こうした経営環境の中で、いかにして診療の質と経営の質を維持するかが問われます。

2 病院・クリニックの特徴について

病院・クリニックは、専門的な技術ないしサービスの提供を実現するために人材や機材に多額の費用を要します。

また、医療行為に対する患者の期待は大きく、期待に反した結果に対しては厳しい批判の対象となることが少なくありません。

こうした批判は時には、医療過誤による損害賠償として、時には窓口でのクレームとして、時にはSNSなどへの書き込みなどとして現れやすいという特徴があります。

病院・クリニックではこうした特徴の他にも、医師、看護士、薬剤師、医療事務職員などと多くの労働契約を交わしているという特徴があります。

そして、労働現場では、密接な人間関係の中で非常に過酷なストレスにさらされた結果、パワハラやセクハラが横行しやすいという特徴もあります。

また、2024年4月からは医師の働き方改革規制が施行されることから、労働環境の見直しも必要になっています。

3 病院・クリニックにおいて発生しやすい法的トラブル

こうした病院・クリニックの特徴からは以下のような法律問題が潜在化しているといえます。

①医療過誤に伴う損害賠償
②風評被害
③カスタマーハラスメント
④労務問題(パワハラやセクハラ、未払賃金、解雇)

4 病院・クリニック特有の法的問題への弁護士による対応

こうした病院・クリニックにおける特徴に照らすと、顧問弁護士を通じて以下のような対応をとることが考えられます。

①しっかりとした労務環境を整えること

具体的には、就業規則の整備やチェック、労働時間管理、パワハラやセクハラに対する研修の実施などが考えられます。

医療現場は長時間過密労働になりやすく、ストレスの強い現場でもあります。また、人間関係も密接であることから、過酷な労働環境の結果、様々なトラブルも生じやすいという特徴があります。

そのため、まずは就業規則をしっかりと整備することが必要です。

さらに、長時間労働の結果、うつ病を罹患したり、退職に繋がったり、過労死という事態に陥ったりという問題も少なくないことから、労働環境をきちんと整えることで、これらの問題が生じるリスクを最小限に抑えることが可能となります。

当然、これらの問題が生じた際には、病院・クリニックの法的責任を巡り紛争となることがありますので、その際には病院・クリニックの法的問題に詳しい弁護士への相談や依頼が有効です。

②顧客対策をとること

具体的には、カスタマーハラスメントを生じせない環境の整備や、生じてしまったカスタマーハラスメントへの適時、適切な対応、風評被害対策などが考えられます。

医療現場においては、ストレス状態に置かれた患者も、少しのことで不満を爆発させ、医療従事者にぶつけることが少なくありません。

そうした結果にならないように日ごろから患者との接点の持ち方を見直し、カスタマーハラスメントという最悪の事態に繋がらないように心がけることが大切です。

万が一、カスタマーハラスメントが生じてしまった場合には、医療従事者を守るために、即座に弁護士へ相談をすることが重要です。

③医療過誤への備えをすること

これらは顧問弁護士として継続的に病院・クリニックに関わるからこそ実現可能な問題だといえます。

当然、生じてしまった問題に個別に相談、依頼を受けることも可能です。その場合には病院やクリニックの置かれた状況をつぶさに聞き取りさせていただいた上で、最善の結論を目指すこととなります。

5 弁護士に依頼するメリット

以上のような病院・クリニックの問題に照らし、必要な助言や対応をその都度とるために、医療過誤、風評被害、労務問題等の経験のある当事務所にご依頼頂くことは安心して事業を継続するために非常に有効だといえます。

6 まずは弁護士にご相談ください

病院・クリニックの抱える各種法的トラブルについては、いつでも弁護士にご相談ください。