使用期間中に解雇した社員からの慰謝料請求を退けた事案

相談者:-  その他
自動車販売会社である依頼者は、試用期間中の社員に対し、職務遂行上の重大な規律違反や協調性の欠如等、勤務態度に複数の問題が認められたため、就業規則に基づき解雇しました。

解雇後、元社員は解雇無効を主張するとともに、上司によるハラスメント行為や不当な暴行があったとして、事実無根の高額な慰謝料請求を行ってきました。また、元社員はインターネット上で会社に対する名誉毀損的な書き込みも行っていました。

弁護士が介入し、解雇の適法性を主張するとともに、相手方のハラスメント・暴行の主張が事実無根であることを裏付ける対応を行いました。その後、元社員は労働局のあっせん手続きを申し立てましたが、弁護士による明確な法的主張と証拠の提出の結果、あっせんは不成立に終わり、元社員からの請求は収束に至りました(労働審判等の紛争手続きへの移行なし)。
解決

試用期間中の社員に対する適法な解雇に対し、元社員が事実無根の慰謝料請求や名誉毀損行為を行いましたが、弁護士の介入により法的主張と証拠を提示し、労働局のあっせんも不成立となり請求は収束しました。

会社の対応は就業規則に則ったものであり、元社員の主張は認められませんでした。

請求内容 解雇撤回、慰謝料
解決内容 解雇撤回及び慰謝料の支払拒否
解決までの期間 約2ヶ月間
アドバイス
本件のように、問題行動により解雇された元社員が、解雇の無効主張に加え、ハラスメントや暴行を理由とした不当に高額な慰謝料請求を主張してくるケースは珍しくありません。

最も重要な点は、試用期間中の解雇であっても、社員の具体的な不適格事由を裏付ける証拠を明確に積み上げ、解雇の合理性及び社会通念上の相当性を立証することです。依頼者側は、相手方が主張するハラスメントの事実認定に対しても、客観的な事実関係の調査を通じて、その主張の信用性を徹底的に弾劾しました。

労働局のあっせん手続きは、裁判所に比べて非公開かつ柔軟な話し合いの場ですが、弁護士が法的な主張書面や証拠を的確に提出することで、相手方の主張が法的に成立しないことを早期に認識させることが可能です。これにより、労働審判や訴訟といった長期化・複雑化しやすい紛争手続きへの移行を防ぐことが可能となります。

不当な請求や嫌がらせ行為に対し、初期段階から毅然とした法的対応を取ることが、企業のダメージを最小限に抑える鍵となります。

労務トラブルや不当な高額請求に直面した際、御社はどのように証拠を収集し、初期対応を行うべきでしょうか。今回の事例の背景にある具体的な証拠収集・法的戦略について、さらに詳しく知りたい場合は、お気軽にご相談ください。