盲導犬の受入れ拒否と企業等の責任

盲導犬を同伴しての施設、飲食店利用で拒否されるケースが続いているとの報道がありました。

 

(河北新報2016年12月3日)

「日本盲導犬協会仙台訓練センターによると、同協会の盲導犬を利用する県内の視覚障害者は15人で、受け入れ拒否の報告は15年が10件、今年は11月までに9件あった。」

 

半数は飲食店とのことですが、経営する店舗に盲導犬を同伴しての来客があった場合にはどのように対応すべきでしょうか。

 

まず、身体障害者補助犬法では、国、公共交通事業者、その他不特定多数の利用する施設管理事業者に、身体障害者が補助犬を同伴して利用することを原則として拒否してはならないと定めています。例外的に拒否できるのは、利用により著しい損害が発生するなどのケースに限られており、そうそう簡単には拒否できないこととなっています。

 

(身体障害者補助犬法 参照条文)

第九条  前二条に定めるもののほか、不特定かつ多数の者が利用する施設を管理する者は、当該施設を身体障害者が利用する場合において身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならない。ただし、身体障害者補助犬の同伴により当該施設に著しい損害が発生し、又は当該施設を利用する者が著しい損害を受けるおそれがある場合その他のやむを得ない理由がある場合は、この限りでない。」

 

次に、障害者差別解消法では、事業者の障害者に対する不当な差別を禁止し、なおかつ障害者の状況に応じた「合理的配慮」義務が課されています。

 

(障害者差別解消法 参照条文)

「第八条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。

2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。」

 

しかし、いずれの法律に違反した場合も、罰則規定がないため、実際に補助犬を同伴しての利用を拒否しても罰せられることはありません。

 

ですが、ここ最近では、SNSの発達、普及に伴い、不当な対応をしたことがネット上で拡散することもあり得、その場合に受ける企業としての損失は十分に予測しておくべきでしょう。

 

著名人による障害者に対する扱いの問題としては乙武さんが飲食店を利用しようとした際に、飲食店が車いす利用に消極的対応をとったことが話題となり、議論を巻き起こしました。ここではその詳細には触れませんが、上記で触れた法律の趣旨や、ネット社会により個人が容易に企業の不当な対応などを発言できる時代になったことを頭に置いて、事業者としてのとるべき対応を日ごろから意識しておくことが重要だと言えます。

 

 

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