LINEが総額5億円の「お年玉」スタンプ販売~景品表示法違反?~

LINEが2017年のお正月に最大100万円が当たる「お年玉」を送ることのできる専用スタンプを販売するとの報道がありました。お年玉付きのスタンプを購入し、これを他人に送信すると当該他人が懸賞に参加でき、抽選の結果10万円から100万円があたるというのです。(2016年12月15日付け報道)

この報道を見て私は、景表法(=不当景品類及び不当表示防止法)違反の疑いを感じています。

 

景表法は、少し前に「コンプガチャ」問題で大々的に報道されましたが、今回の疑問は、このコンプガチャの規制とは少し別の点です。

具体的には、景表法やそれに基づく告示において、懸賞では、「懸賞により提供する景品類の最高額は、懸賞に係る取引の価額の20倍の金額(当該金額が10万円を超える場合にあっては、10万円)を超えてはならない」と定められているからです。

すなわち、景表法とその告示では、懸賞の最高額=10万円なのです。それにもかかわらず、LINEでの今回のお年玉は、10万円以上の「お年玉」があたる仕組みになっているため、かかる定めに違反するのではないかと思います。

 

どうしてこのような規制があるのか、以下のような消費者庁HPの説明がわかりやすいです。

「事業者が過大景品を提供することにより消費者が過大景品に惑わされて質の良くないものや割高なものを買わされてしまうことは、消費者にとって不利益になるものです。また、過大景品による競争がエスカレートすると、事業者は商品・サービスそのものでの競争に力を入れなくなり、これがまた消費者の不利益につながっていくという悪循環を生むおそれがあります。」

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高額な景品で購入を促すことは消費者の不利益につながるということですね。また、高額な景品をつけることはギャンブル性も高くなり、そういう意味からも好ましくないといえます。

 

LINEも一部上場企業なので、今回のようなスタンプ販売に際して法務部や顧問弁護士によるチェックはしていると思うのですが、何ら問題がないとの判断なのでしょうか。いささか疑問に思います。

 

ちなみに、似たような懸賞としては年賀状のお年玉が有名ですが、これは、一等賞の金額が10万円以下に抑えられており、これは上記の景表法の告示の内容を踏まえたものと考えられます。

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