VW3万人の人員削減へ

同日付の日経新聞によると、2020年までに全世界の従業員の約5%、最大3万人を削減する計画を発表したとのことです。

VWといえば、排ガス不正問題が経営に影響を与えているところですが、その中での人員削減計画となりました。

もっとも、2025年まで強制解雇はしないとの労使合意が成立しているともあり、人員削減は早期退職、自然減によるものが中心となります。

さて、企業の人員削減の方法としては、これら早期退職や自然減(とこれに引き続く新規採用の抑制)に加え整理解雇がよく挙げられます。

整理解雇とは、もっぱら企業の経営上の必要性にもとづき行われる解雇のことをいい、従業員の非違行為などを原因とする懲戒解雇などとは異なるものです。ちなみに、上記報道にある「強制解雇」とは、整理解雇や懲戒解雇のことを指していると思われます。

そして、日本においては整理解雇について、その有効性が認められるために非常に厳格な要件が課されています。そのため、企業としては整理解雇に踏み切る際に慎重な判断が求められますし、仮に踏み切ったとしても裁判で覆ることすら覚悟しなくてはなりません。

しかし、上記の報道では、「2025年まで強制解雇はしないとの労使合意が成立している」とのことであり、従業員からすると、この間、自らの意思に反して職を失わずに済むのですから何ともありがたいことです。

どうして日本とドイツでこのような違いがあるかですが、それはドイツにおける労働者の立場の強さ、労組の力の強さにあります。ドイツでは、日本と比較にならないほど労働者保護が進んでいるためにこのような労使合意が実現したものと思われます。

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