「コメダ珈琲店に酷似」東京地裁仮処分

平成28年12月19日付けで東京地裁が、コメダ珈琲店と類似した外観を用いて喫茶店(「マサキ珈琲中島店」)を営業していた会社に対し、店舗等の使用を禁止する仮処分を発令しました(平成28年12月27日付け東京新聞)。

301 Moved Permanently

 

コメダ側が、マサキ側に対して店舗使用禁止の交渉を持ち掛けたが応じなかったため、やむなく仮処分等を起こしたとのことです。

報道からは分かりづらいですが、不正競争防止法を根拠に仮処分を申し立てているとのことです(同法2条ではさまざまな類型の「不正競争」を定義しており、これらの不正競争に該当する場合には、同法3条にて差し止め等を認めています。)。

 

今回は、店舗の外観や内装等がコメダの店舗等に酷似していたようで、不正競争防止法上の差し止めが認められたということです。

 

ところで、つい先日、商標法違反のことなどを記事にしました。

404 NOT FOUND | 岡山香川架け橋法律事務所
労務問題、契約書の作成・チェック
404 NOT FOUND | 岡山香川架け橋法律事務所
労務問題、契約書の作成・チェック

そこでは、商標上の類似性の有無や判断の目安を解説しました。

 

今回のコメダ珈琲の件では、これら商標法上の違反は問われていないようですが(仮にコメダ側が商標の類似性を主張しても「コメダ珈琲店」と「マサキ珈琲中島店」とでは類似性は否定されると思います。)、他の法律である不正競争防止法により仮処分を求めたものです。

 

さて、今回問題となった店舗の写真がコメダ珈琲店のHPに掲載してあったので見てみました。

http://tyn-imarket.com/pdf/2016/12/27/140120161227464220.pdf

すると、、、

これは明らかに類似していますね。しかも、そもそも中島珈琲店がコメダへのフランチャイズを求めたがコメダに拒否されていたとの事情も書いてあります。そうすると、このようないきさつも踏まえるといよいよ中島珈琲店の不正競争の意思は明らかといえそうです。

 

その上で今回の件と、先日の商標違反の件との整理をしてみます。

 

(1)「すなば珈琲」と「スターバックスコーヒー」とは商標法上の類似性は否定されそう。店舗の内外装はチェックしていませんが、おそらく問題ないはずです。

(2)「フランク三浦」と「フランクミュラー」も、商標法上の違反には該当しないと知財高裁が判断しています。ただし、商品の類似性に関してはフランクミュラー側から不正競争防止法違反を原因とした訴訟がされていない模様。

(3)「コメダ珈琲店」と「中島珈琲店」とは、商標法上の違反には該当しなさそう。ただし、不正競争防止法により仮処分が認められている。

 

このように、商標の問題と、その他の類似性による不正競争防止法違反の問題とを分けて考え、どの法律に違反するのかしないのか、しっかりと分析する必要があります。

 

タイトルとURLをコピーしました