宮城県、壇蜜さんのPR動画削除へ 「性的」批判に配慮

宮城県村井嘉浩知事は21日、タレントの壇蜜さんを起用した県の観光PR動画を26日に動画サイトから削除すると明らかにした。同知事は、動画が一定の役割を果たしたとしつつ、性的と受け取れる表現への批判を踏まえ、「不快に思っている人にも配慮する必要がある」と述べた。

 動画は約2分半で、県や仙台市JR東日本などでつくる協議会が7~9月の観光キャンペーンの一環として制作。涼しい宮城を意味する「涼(りょう)・宮城(ぐうじょう)の夏」と題し、県は2300万円の予算をつけた。

 動画サイトでは再生回数が310万回を超えたが、壇蜜さんの唇のアップやせりふが性的だとして、県議や女性団体などが配信中止を要請。県に寄せられた約480件の意見のうち、8割が批判的だった。壇蜜さんを仙台市に招いて開く26日のイベントを節目に、キャンペーン期間を約1カ月残して削除する。(森治文)

(朝日新聞デジタル2017.8.21)

宮城県等が作成したPR動画が削除になるとのことです。内容は、上記報道のとおりですが、要するに、壇蜜さんが出演し、壇蜜さんにセクシーな発言をさせたり、壇蜜さんの唇のアップを何度も取り上げたりしており、非常に問題が多かったためです。

特に、動画の最後に上がってくるキャッチコピーの「涼宮城(りょうぐうじょうと動画では読んでいる。)」は、一瞬「欲情(よくじょう)」と聞こえます。動画を見ていて耳を疑うほどのコピーです。

そのほかにも、東京から「アッというまにイケちゃう」という表記もイヤらしいイメージしか与えません。その他、全般的に作りが下品で低俗です。

はっきり言って下ネタ意識、おふざけ意識万歳で作ったとしか考えられません。

男性の私ですら、このように感じる同動画です。女性の方からすれば不快感極まりないでしょうね。

 

さて、こんな動画を公費で作った訳ですから、知事や作成に関与した人々の責任が気になって仕方ありません。地方自治法上の住民監査請求の対象になると思われます。要するに、このような低俗なPR動画を2300万円もかけて作成したことにつき、公務員に落ち度があることから、その支出自体の違法を根拠に、県が被った損害の賠償を求めることになります。

自治体以外でも、私企業が同様の低俗な広告を作ったものの、すぐに撤去等になった事案も枚挙にいとまがありません。私企業の場合にも、株主代表訴訟などの方法により、無駄な動画を作ったことの責任を問う制度があります。

 

なので、自治体にしろ、会社にしろ、PR動画を作るのはよいのですが、その中身をきちんと吟味しないことには後々、動画の制作に関与したことの責任を追及される恐れがあるということです。決して、「遊び半分」で作ってはいけません。当然のことにもかかわらず、こんな低俗なものが繰り返されることを悲しく思います。

結局、日本ではまだまだ男女同権、平等という価値観が十分に浸透しておらず、自治体運営や企業運営においても、このような観点からのリーガルチェックが機能していないのでしょう。

それにしても、これだけ批判があっても、「即削除」とせずに、今月26日まで粘るあたりが「無神経さ」を感じさせますし、気分を悪くしている人の神経を逆なでし続けます。

 

 

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