2022年6月2日 6時55分(NHK)
牛丼チェーン最大手のすき家は「ワンオペ」と呼ばれる1人勤務を朝の時間帯にしていた従業員が店内で倒れ、その後、死亡していたことを明らかにしました。これを受けて会社では今月中に朝のワンオペを廃止することを決めました。
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すき家は、過去に深夜時間帯のワンオペによる過剰労働が問題となり、深夜時間帯のワンオペを廃止していました。
今回は、深夜時間帯ではない午前5時から9時までの間を、ワンオペで働いていた従業員の死亡が明らかになったものです。報道によると、「およそ三時間後に店に来た別の従業員が気が付いて病院に搬送された」とのことですので、推測するには、午前6時ころに倒れ、その後、午前9時ころに次の時間帯のために出勤した従業員が見つけたということなのでしょう。
勤務中に倒れるという異常事態に3時間も誰も気が付くことのないシステムというものが異常であることは明らかだと思います。個人的にはこの3時間の間に来店客は誰もいなかったのか、いたとしても厨房内などで倒れていた従業員に気が付くことがなかったのかという点も気になります。
会社は、ワンオペの時間帯でも「緊急時に本部と連絡できる装置の着用を義務付けていた」とのことですが、具体的にどのようなシステムかは不明です。
おそらく、以前のワンオペで問題となったのが強盗に襲われる危険性だったことから、この「装置」というのも強盗に襲われた場合に本部と連絡をつけるためのものだったのではないかとも思います。仮にそうだとすると、体調不良などで倒れた場合向けの「装置」とは言えず、やはり会社としてはあらゆるケースを想定して従業員の生命身体の安全を守らないとなりません。
その意味で今回の死亡事故に対して会社側の安全配慮義務違反が問われる可能性は高く、企業経営上、店舗や事務所を従業員一人きりにすることへの十分な配慮が問われる次第です。