受動喫煙防止に向けた法制度の制定の動き

受動喫煙防止に向けて、罰則付きの法制度の「叩き台」を厚労省が公表しました(2016年10月12日)。

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000140971.pdf

 

WHO(世界保健機構)の調査において日本における受動喫煙防止対策が世界的に低いレベルであり対策が急務であること、WHOとIOC(国際オリンピック委員会)とが「たばこのないオリンピック」を共同推進していること、近年の開催地や予定地では罰則付きの受動喫煙防止策が講じられていることを踏まえてのものです。

 

この叩き台では、施設に応じて受動喫煙防止策を類型化し、

(1)官公庁など;建物内禁煙

(2)病院など;敷地内禁煙

(3)飲食店など;原則建物内禁煙とし、喫煙室の設置を認める

としています。

 

建物内禁煙とは、建物内ではどこでも一切禁煙(建物の外であれば敷地内で喫煙可)

敷地内禁煙とは、建物内は当然禁煙で、建物の外の敷地内も禁煙

というものです。

飲食店については喫煙室を設けた場合、その中に限り喫煙可となります。

 

そして、叩き台では、施設管理者等に喫煙場所等の掲示義務等を、施設利用者には喫煙可能な場所以外での喫煙を禁止し、違反した場合に罰則を科すことを想定しています。

今後、これらを内容とした新法もしくは健康増進法の改正があり得ることでしょう。特に飲食店経営者の方にとっては「喫煙客が来なくなり、売上が減少して困る。」こともあり得ると思います。喫煙室の設置には費用もかかるし場所も必要なので、受動喫煙防止に対してどのような対策をとるか早目の検討をお勧めします(なお、喫煙室の設置のための助成制度もあるようです。)。

 

ところで、もともと健康増進法では受動喫煙防止を義務づけているではないか、と思う方が多いと思います。

しかし、同法は受動喫煙防止についてあくまで「努力義務」すなわち、「受動喫煙防止に努力すべきだが、違反しても罰則はない。」というものでしかありません。そのため、この間、多くの施設で喫煙場所の限定や喫煙室の設置、喫煙時間帯の限定などが行われてきましたが、必ずしもすべての施設や店舗でそのような対応がとられているとはいいがたいのが実情です。

このような状況を踏まえ、厚労省は、2020年のオリンピックをきっかけに、受動喫煙防止に向けた抜本的な対策をとろうとしているのです。

 

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