2019年2月27日付け日経新聞一面に、いくらもらえたらLINEを一年間やめますか?というアンケート結果に基づく卒業論文をまとめた東大生についての記事がありました。
約1200人に対するアンケート結果によれば、「一人あたり300万円」とのことだったそうです。
年間300万円くれればLINEを止める、ということですが、この金額についていかがでしょうか。
たしかに今やLINEの普及率はすさまじく、日本国内での月間アクティブユーザー数は7900万人です。私自身も公私ともにLINEを頻繁に使います。多くの私企業のみならず、公的機関でも利用されています。
そのような実情からすると、LINEはもはや単なるひとつの連絡ツールにとどまらず、いわば現代社会のインフラになったといえるでしょう。
そのようなLINEについて、もはやインフラである以上、相当な対価がないことにはこれを止めることができない、というのが上記アンケート結果に表れているのだと思います。
実際、たとえば社会インフラの典型としては、電気、ガス、水道がありますが、仮にこれを止めることを金額換算するとしたらいくらというアンケート結果になるでしょうか?みなさんは、「年間300万円あげるから、電気なしの生活をしてください。」と言われたら応じることはできますか?
おそらく多くの人は、いくらだったとしても断るのではないでしょうか。
LINEの場合であれば、300万円で止めるという回答ですが、電気の場合には300万円では止められない、となるとその理由の違いが気になります。
この点は、LINEは社会インフラと言いうるが、それでもまだ代替手段(電話、メール、その他連絡アプリ等)があります。対して、電気という社会インフラはもはや替えようがないものです。なので、電気を止めるということは現代社会から外れた生活を送る覚悟が必要です。
ただし、今後、LINEについても今以上に圧倒的な社会インフラとなった場合には、上記回答のように300万円にとどまらず、「いくらもらっても止められない」という回答に行きつく時代が来るかもしれません。
ちなみに、LINEの昨年の売り上げは約2071億円です。これを上記、日本国内月間アクティブユーザー数で割ると、2621円となります。要は、LINEは、一人のユーザーから年間2621円の売り上げを上げていると見ることもできます。そのことと、「300万円」ということの大きな差を、どう理解したらよいでしょうか。