日本における特許訴訟の原告側勝訴率が14%にとどまり、諸外国に比べて著しく低い、との報道がありました。
(日本経済新聞2017年5月15日)
ただし、実質的に特許権者の勝訴とみるべき和解が全体の30%ほどはあるとのことで、そうすると合計で44%の案件で原告側の勝訴と言える結論になっているようです。
それでもアメリカでは50%~70%の勝訴率とのことなので、日本の実情はまだまだ「特許権者に厳しい」というところでしょうか。
とはいえ、おおむね「勝つか負けるか半々」という実情だと考えれば、「特許権を侵害された」と思うに至れば、権利実現のために訴訟に打って出るのが良い水準と思います。
現実には、「おそらく負ける」と思いつつも、諸般の事情から訴訟に踏み切る案件も多々ありますから。
もちろん、裁判は結論が出ないと分かりませんので「負けかもしれない」と思いつつ、訴訟に至ったケースで勝訴に至ることすらあります。
なので、表面的、統計的な数字のみで先の判断を決めるのは間違いだと思います。