このコラムについて
解雇は、労働契約を一方的に終了させる雇用者側の行為であり、人員削減等のために用いられます。
ただし、日本では、この解雇は欧米と異なり、法律上、判例法理上、厳しく規制がされています。
すなわち、「正当な解雇理由」が認められない解雇は違法となり、後に訴訟や団体交渉のきっかけとなるなどトラブルの原因になります。
したがって、企業法務の現場においては、どのような場合であっても従業員の解雇の際に「正当な解雇理由」を持つことは非常に重要です。
そこで本記事では、「正当な解雇理由」とはどのようなものかを説明し、どのような条件であれば正当な解雇と認められるのか、さらに解雇の正当性を確保するための具体的な対策、解雇の進め方について解説します。
このように、正当な解雇のために企業経営者が避けるべきポイントをまとめましたので、ぜひ最後までご覧いただき、参考にしてください。
1 正当な解雇と不当な解雇について
(1)そもそも解雇とは何か?~知っておきたい基本事項と概要~
解雇とは、使用者たる会社による労働契約の解約のことであり、会社が従業員との雇用契約を一方的に終了させる意思表示を意味します。(菅野和夫「労働法」第10版p552)
解雇は、労働契約を一方的に終了させる雇用者側の行為であり、日本の法律上、また判例法理上、厳しく規制されています。
まず、労働契約法では、会社による労働者に対する解雇に関する法規制を設けています。
具体的には、解雇は、使用者がいつでも自由に行えるというものではなく、解雇が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、労働者をやめさせることはできません。
すなわち、労働契約法に違反する解雇は「無効」とされ、会社から言い渡された解雇は無効である以上、雇用契約は合法的に維持されます。そのことはすなわち、会社から労働者に対する賃金支払義務が継続することを意味します。
このような労働契約法の他にも、労働基準法、労働組合法など、各種法律は様々な形で解雇に対する制限を法制化しています。
分かりやすい例では、男女雇用機会均等法においては、性別や妊娠、出産、育児休業の取得を理由とする解雇を禁止しています。
かかる解雇は、会社から従業員に対する一方的な意思表示であり、必ずしも書面による必要はなく、口頭による解雇やメールによる解雇も認められます。
この解雇には、普通解雇、懲戒解雇、整理解雇などがあります。
そして、これら解雇の種類によってそれぞれ特徴が異なるので、まずその違いについて理解することが重要です。
以下、順に解説、具体例を紹介します。
(2)普通解雇の要件や根拠
①普通解雇の要件や根拠
普通解雇とは、労働者の能力不足や勤務態度不良など、一般的な労働契約の不履行を理由に行われる解雇のことを指します。
たとえば、業務能力が著しく低く、教育や指導を経ても仕事に対するパフォーマンスが改善しない場合や、いくら口頭および書面で注意や指導をしても職務怠慢が繰り返される場合、社内ルールを守らないなどが該当します。
これらのケースでは、周囲の同僚や上司との関係に悪影響を及ぼしたり、企業における日常業務に大きく支障が生じたりするとして解雇が認められているのです。
また、心身の健康状態が業務に重大な影響を及ぼす場合(例:うつ病や長期的な病気)も該当することがあります。
この普通解雇については、具体的な解雇事由を就業規則に定めておくことが一般的です。
そして、厚労省のホームページで公表しているモデル就業規則では普通解雇について次のように定めています。
この普通解雇は以下で述べる懲戒解雇のような重大な規律違反等を前提としない解雇の類型という特徴があります。
(3)懲戒解雇の要件や根拠
懲戒解雇とは
懲戒解雇とは、労働者が重大な非違行為を行った場合に、その制裁すなわち懲戒処分として行われる解雇です。
具体的には、金銭などといった業務上の横領、重大な規律違反、犯罪行為、他の従業員への暴力やハラスメント行為(例:パワハラやセクハラ)などが懲戒解雇の理由となります。
なお、パワハラやセクハラなどの発覚時の会社の対応方法は別のページに詳細を説明していますので、そちらをご参照ください。
これらの行為は、いずれも企業秩序や企業の規律に対する重大な違反である点で普通解雇と区別されます。
また、懲戒解雇を行う際には、前提として労働契約に基づく就業規則に明記されていることが必要です。
そして、上記の厚労省のモデル就業規則においては以下の事由を懲戒事由と定めています。
※12条から15条は、各種ハラスメント禁止規定であり、これらハラスメント禁止規定に違反したことも懲戒解雇事由となることを意味しています。
懲戒解雇の場合には、普通解雇と異なり、従業員に対する制裁として退職金を不支給としている会社も多く、場合によっては慰謝料などの法的責任が生じる可能性もあり、その意味でも従業員に対する不利益が大きい解雇方法です。
このように、懲戒解雇は普通解雇よりも大きな不利益を労働者に与えるものとして、解雇権濫用法理(解雇に際しては社会通念上、合理的な理由が必要)の適用上も普通解雇より厳しい規制に服すると考えられています(菅野和夫「労働法」第10版p564)。
すなわち、懲戒解雇に際しては、解雇予告期間を設けることなく、即時・即日の解雇としていたり、除外認定により解雇予告手当が不要になったり、退職金の全部または一部を支給しないことがあるとの就業規則を定めていたりする会社も多く(前述の厚労省のモデル就業規則においてもそのような規定になっています。)、労働者にとっての不利益はかなり大きいものです。
加えて、懲戒解雇の事実は、これを履歴書に載せないと、ケースによっては再就職や転職時に経歴詐称と扱われかねないという点でも労働者の不利益は大きなものとなります。
そのため、懲戒解雇という手段の選択に際しては慎重な対応が求められます。
このように、懲戒解雇は懲戒処分であり最終の手段という性質を持つことから、懲戒解雇によることがやむを得ないとされるケースに限るべきと考えられています。
(4)整理解雇の要件や根拠
整理解雇とは
整理解雇とは、普通解雇や懲戒解雇と異なり、会社の経営悪化などの理由で、やむを得ず人員削減を行う際の解雇です。
いわゆるリストラの一環として行われます。経営不振、業務縮小、組織再編 などが背景にあります。
これまでの解雇はいずれも労働者側の事情を背景とした解雇でしたが、整理解雇は会社側の事情による解雇という点で大きく異なります。
整理解雇はもっぱら会社の都合によるものであることから、これを行うには、「整理解雇の4要件」が必要とされており、これらをいずれも満たしていることが求められます(これら4要件は要素ではなく、要件であるとの考え方。判例も同様の考え方を採用しています。)。
整理解雇の4要件
①解雇の必要性:会社の存続が困難な状況であること。
②解雇回避努力:解雇以外の手段(希望退職の募集など)を尽くしたこと。
③解雇者の選定の合理性:客観的な基準に基づいて解雇対象者が選定されていること。
④手続きの適正:労働者との協議などを経て、適切な手続が踏まれていること。
このような厳格な要件を満たして初めて整理解雇を認めることとし、企業側の事情という労働者と無関係な事情のために労働者の地位が不安定にならないようにしているのです。
(5)正当な解雇=解雇の要件を満たす解雇
以上が各種解雇の類型です。それぞれの解雇の類型ごとに解雇が無効とされるケースが異なります。
そして、「正当な解雇」とは、これら解雇が無効とされないケースを意味するので、解雇の要件を満たすものが正当な解雇と整理できます。
2 不当な解雇とされた場合のデメリットは?
解雇についてはいずれも、解雇の有効要件を満たす必要があります。
すなわち、普通解雇にしても懲戒解雇にしても、後に解雇無効を主張された場合には、原則会社側にて解雇の有効性についての主張立証責任があるのです。
そして、解雇が有効と認められるためには……
①解雇に客観的に合理的な理由があり
②社会通念上相当と認められること
が必要です(労働契約法16条)。
したがって、いずれの解雇であっても、もしその効力を争われた場合には、会社においてこれらに関連する事情を裁判所に主張し、立証する必要性があるのです。
この解雇に対する法的規制は「解雇権濫用法理」と呼ばれ、解雇紛争の際に常に争点となる問題です。
したがって、普通解雇によるか懲戒解雇によるかを問わず、使用者側としては、労働者・従業員の解雇に踏み切る際には常に当該解雇が客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められるものであることを立証できるようにしておく必要があります。
そしてこれらが欠け、解雇が無効とされれば、解雇してから解雇が無効と判断される時点までの間の賃金や残業代の支払いが必要となります(これをバックペイと言います。)。
バックペイについてはその計算方法などの詳細を別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
かつ、当該従業員はもともと在職をしていた状態となるので復職させる必要が生じます。
結果として、その後の賃金・給料・給与の支払いも必要となるのです。
以下に、不当な解雇とされた場合のデメリットを説明します。
(1)デメリット①雇用契約が維持される
労働審判や訴訟の結果、会社による解雇不当解雇が認定された場合、企業は裁判所の判決などの結論を踏まえて、労働者の復職を受け入れる必要があります。
それまで労働審判や訴訟を通じてさんざん争ってきた従業員の復職を受け入れていくことは、非常な苦労が伴うことは容易に想像がつく問題です。
(2)デメリット②バックペイの支払いが生じる
会社による解雇が後に不当解雇と認定された場合、企業は労働者に対してバックペイ(解雇期間中の未払い賃金)を支払う義務があります。
バックペイは、解雇日から復職日までの給与を含むため、その金額は非常に高額になることがあります。
加えて、バックペイの支払いが生じた時点(月々の賃金支給日)から実際の支払い日まで、年6%の遅延損害金も付加されることも忘れてはなりません。
そして、このバックペイは、年収の高い労働者であればあるほど、解雇紛争が長ければ長いほど高額となります。
裁判例でも3,000万円を超えるバックペイに至る事案も決して少なくはないのです。
ご参考までに、このバックペイについては、その計算方法や、控除できる金額について別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
(3)デメリット③起業秩序が保てない
訴訟が長引くと、社内の士気にも影響を与える可能性があります。
特に、解雇問題が社内で広く知られると、他の従業員にも不安が広がり、職場の雰囲気が悪化することがあります。
職場環境が悪化することにより、生産性の低下や離職率の上昇が引き起こされることがあります。
(4)デメリット④損害賠償請求
不当解雇により、従業員から慰謝料を請求される可能性があります。
(5)デメリット⑤企業イメージの低下
インターネットやメディアでの批判が広がり、採用活動や取引先との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
その他にも、例えば労働組合との団体交渉が行われ、会社側に不利な条件を課される可能性もあります。
3 正当な解雇を通すための方法と注意点
(1)解雇までの周到な準備
①客観的な証拠の収集
解雇が正当であることを証明するためには、証拠が必要です。
たとえば次のようなものが挙げられます。
証拠の具体例
・勤怠記録や業務成績
・会社からの業務指示書や業務改善命令書
・改善に向けた会社としての指導記録や研修記録
・他の従業員からの証言
・トラブルに関する調査報告書
②書面による警告と指導
普通解雇の場合に顕著ですが、普通解雇の場合には従業員の業務能力の欠如などを根拠に解雇に踏み切ることになるため、業務能力が欠如していること及び、改善の見込みがないことが解雇の有効性を裏付ける重要な事実となります。
そのため、問題社員の問題行動については、対象者に対して逐次、書面による警告や指導が重要となります。
そして、たとえ譴責処分や軽微な懲戒処分であっても、その理由をきちんと説明し、改善の機会を与えることが求められます。
実際、注意や指導を書面で残しておいたことで、後の裁判で提出し、有利な証拠と認められるケースが多々あります。
これは解雇を回避しようと会社側が努力をしていたことの証拠となるのです。
すなわち、日本の解雇法制では、解雇は出来るだけ避けるべきと考えられていることから、注意や指導をし尽くしていた事、言い換えるともはや当該従業員には解雇以外に対応策は取り得ないことを証明することが重要となるのです。
逆に、注意指導の証拠が不十分だったことが原因で会社側が敗訴した事例もあります(平成30年4月13日東京地裁判決)。
注意指導が不十分というケースは、言い換えると「いきなり解雇に踏み切った」とみられかねないので注意が必要です。
また、注意や指導と併せて、従業員の業務能力に関する客観的な評価の制度や研修の制度を設けておくことも大切です。
③配置転換
従業員の業務能力の欠如を理由として配置転換により対処をすることもありますが、その際にも何を理由として配置転換を行うのか明確にしておくことが求められます。
(2)解雇理由の証拠の用意
解雇が決定した場合には、解雇通知書を交付することが求められます。
この書面には、解雇の理由や解雇日、解雇に至った経緯が明記されている必要があります。
具体的に記載することで従業員にその理由を納得してもらい、解雇に同意してもらうためです。
解雇のプロセスで適切な説明が欠けると、従業員との信頼関係が損なわれ、トラブルに発展するリスクがあります。
(3)解雇に至る手続きの遵守
労働基準法に基づき、解雇を行う場合には必ず、30日以上前に解雇予告通知を発行するか、もしくは解雇予告手当として平均賃金を支払うことが必要です。
予告なしでの即時解雇は、懲戒解雇など特別な場合を除き、基本的に認められません。
一定の予告期間を設けて、社員に時間的余裕を与えることが必要です。違法な解雇とならないよう、法的な手続を遵守してください。
4 正当な解雇が難しい場合の対処法はあるか?
(1)正当な解雇が難しいケースについて
解雇が難しい背景には、日本の労働者保護の考え方が影響しています。特に以下のケースでは、正当な解雇理由とまで認められず解雇が無効とされる可能性が高いです。
①勤務態度が悪いが重大な違反がない場合
例えば、業務に集中しない、協調性がないといった問題があっても、それだけでは解雇理由があるとは認めがたいのが通常です。
②病気やケガでの長期休職
病気やケガにより職務を果たせない場合には、その後の治療等を経て復職の可否を慎重に見極める必要があります。
これを経ずに解雇をすると解雇無効とされる可能性があります。
(2)正当な解雇が難しい場合の対処法
解雇が難しい場合でも、企業が適切に対応するための方法はあります。以下に主な対処法を解説します。
①配置転換や職務変更の検討
社員の業務パフォーマンスが低い場合、配置転換や職務変更といった代替案が有効です。
たとえば、業務内容を変更し、適性に合った業務に就かせることでパフォーマンスの向上が期待できます。
この際には、社員との面談を通じて、十分な説明と同意を得ることが重要です。
②業務指導や教育を徹底する
勤務態度や能力不足が理由の場合、解雇を検討する前に業務指導や教育を行うことが必要です。具体的には、以下の方法があります。
定期的な評価とフィードバックを行う。
スキル向上を目的とした研修を実施する。
社員が改善すべき点を明確に伝え、一定期間改善を待つ。
これらにより、解雇のリスクを軽減するとともに、社員の成長を促すことができます。
③退職勧奨の活用
解雇ではなく、社員本人が納得のうえで自主的に退職する形をとる退職勧奨も有効な選択肢です。退職勧奨を行う際には、以下の点に注意してください。
十分な説明と説得を行い、相手の意思を尊重する。
不当な圧力や強要とみなされないよう、慎重に進める。
退職金や慰労金の支給条件を提示することで合意を得やすくする。
なお、退職勧奨については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
④就業規則の見直し
就業規則に基づいて解雇を進める場合、規則が法的に適切である必要があります。
不十分な就業規則は、解雇トラブルの原因となります。就業規則の見直しを行い、問題社員に対する適切な対応が明確になるよう整備することをおすすめします。
なお、就業規則については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
⑤弁護士に相談する
解雇に関する問題は、法律的な専門知識が求められる場面が多くあります。労働問題に詳しい弁護士に相談することで、以下のメリットが得られます。
メリット1:解雇の妥当性に関する法務チェックを行うことができる。
メリット2:法的リスクを最小限に抑えた解雇手続きが可能になる。
メリット3:問題社員への対応方法について的確なアドバイスを得られる。
メリット4:解雇理由の正当性を裏付けるための資料作成や手続きがスムーズになる。
当事務所では、企業の状況に合わせた法的アドバイスを提供し、適切な解決策を提案しています。
5 正当な解雇のために弁護士に相談、依頼するメリットは何か?
企業経営者にとって、従業員を解雇するかどうかの判断は非常に難しい決断です。
特に普通解雇や懲戒解雇の場合、その決断が企業にとってどのようなデメリットをもたらすかを慎重に考える必要があります。
そのため、解雇に際しては、労働問題を把握し、精通した弁護士に相談することで、企業が適切に対処できるようになるメリットがあります。
具体的には以下のとおりです。
メリット1:不当解雇のリスクを回避できる
第一に、弁護士に相談をすることで、解雇の判断を誤り、また解雇の手順を誤ることで不当解雇として労働審判や裁判になることを可能な限り未然に防ぐことが可能です。
解雇を決定する際に最も重要なのは、労働契約法、労働基準法などの労働関連法規を遵守することです。
これらに違反すると、不当解雇として法的なリスクを負うことになり、訴訟や労働審判を起こされ、損害賠償を求められる可能性があります。
すなわち、解雇に至るためには、客観的に合理的な理由があり社会通念上相当と認められることが必要です。
そして、具体的にどのような理由、事情があればこれらを満たすことができるのかの判断は困難であり、先例に照らした慎重かつ専門的な判断を伴います。
そのためには、この分野の扱いに詳しい弁護士による助言が有効です。
メリット2:解雇手続きが適正に行える
かかる助言を踏まえ、解雇のための適正な手続きを踏むことも可能となります。
①事前の警告と指導
解雇を行う前に、問題のある従業員に対して事前に警告や指導を行うことが重要です。
これは、従業員に改善の機会を与えるとともに、企業が適切な手続きを踏んでいること、ひいては解雇無効を争われた際に解雇の相当性を証明するためです。
➁ドキュメンテーションの重要性
解雇の判断に至る過程を詳細に記録し、必要なドキュメントを揃えておくことが重要です。
これには、警告文や指導記録、評価結果などが含まれます。
これらの記録は、万が一の訴訟リスクに備えるため、すなわち後の証拠とするために非常に有用です。
過去の裁判例の中にも、解雇をした労働者に対する記録が十分に残されていなかったために、解雇事由が証明できずに敗訴に至ったケースが散見されます。
後の紛争に備えて何をどのように証拠化するかの助言も可能です。
このように、正当な解雇理由を証明し、労働トラブルを未然に防ぐためには、顧問弁護士のサポートが不可欠です。
顧問弁護士のサポートについて詳しく記載しているページがございますので、こちらをご参照ください。
6 正当な解雇を実現するために当事務所でできること
当事務所が提供する具体的なサポート活動の内容について詳しく解説します。
(1)法律相談と助言
①個別相談の実施
当事務所では、企業経営者や人事担当者向けに個別相談を実施しています。
解雇に関する法的な質問や懸念について、経験豊富な弁護士が直接対応し、具体的な助言を提供します。
これにより、解雇手続きの適法性を確認し、法的リスクを最小限に抑えることができます。
➁法律セミナーの実施
解雇に関する最新の法規制や判例について理解を深めるために、定期的に法律セミナーを開催しています。
セミナーでは、解雇に関する基礎知識から具体的な対応策まで幅広くカバーし、企業が適切な対応を取れるよう支援します。
このセミナーの開催に関しては、顧問契約を締結している顧客向けの社内セミナーと、顧問契約の締結をしていなくても参加が可能な一般向けのセミナーがあります。
そして、前者については、その費用が顧問契約のプラン(スタンダードプラン、プレミアムプラン)にすでに含まれていることから、これらのプランの選択により、顧問料の範囲内にて社内セミナーの実施が可能です。
(2)書類作成とチェック
①解雇通知書の作成
解雇に際して必要となる書類の作成をサポートします。
特に、解雇通知書の内容は労働者に対して解雇の根拠を示す証拠となるので、非常に重要であり、法的に適切な記載をすることが求められます。
当事務所では、解雇理由や手続きの詳細を法的観点から確認し、適切な書類を作成します。
この解雇通知書の作成は55,000円にて対応しております。
②就業規則の見直し
解雇に関する規定が明確にされている就業規則を持つことは、法的トラブルを避けるために非常に重要です。
当事務所では、就業規則の見直しと更新をサポートし、最新の法規制に適合させることで、企業が適法に解雇を行えるよう支援します。
なお、就業規則については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
(3)トラブル対応と解決
①労働争議の予防
労働争議を未然に防ぐための戦略を提供します。
従業員とのコミュニケーションを強化し、問題の早期発見と解決に向けたアプローチを提案します。
これにより、解雇に伴うトラブルを予防し、企業のリスクを減少させます。
➁労働審判と訴訟対応
万が一、解雇に関するトラブルが発生した場合、当事務所の弁護士が労働審判や訴訟に対応します。
昨今は解雇を巡る紛争も労働者側から労働審判が申し立てられ、争われるケースが増えています。
この労働審判については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。
豊富な経験を持つ弁護士が、企業の立場を守りつつ、迅速かつ適切な解決を目指します。
また、必要に応じて和解交渉も行い、企業にとって最善の結果を追求します。
なお、法的紛争になった場合にかかる費用は以下のとおりです。
【法的紛争になった場合にかかる費用】
・労働審判の着手金 : 308,000円
・訴訟の着手金 : 385,000円
(4)リスクマネジメントと予防策
①リスクアセスメントの実施
企業の解雇リスクを評価し、適切なリスクマネジメント策を提案します。
すなわち、解雇を検討している企業の立場から、当該従業員を解雇することについての敗訴可能性などを法律の専門家の立場で詳細に分析、検討することが可能です。
このようなリスクアセスメントを通じて、潜在的な問題を早期に発見し、予防策を講じることで、解雇に関するトラブルを未然に防ぎます。
②コンプライアンスの強化
解雇に関するコンプライアンスを強化するために、企業の内部統制システムを見直し、改善策を提案します。
法令遵守を徹底することで、解雇に伴う法的リスクを減少させることができます。
解雇は、企業と従業員双方に大きな影響を与える重要な決定です。
企業経営者が解雇を正当かつ適法に行うためには、法律上の基準や裁判例の考え方を遵守し、必要な証拠を揃えることが不可欠です。
また、解雇によるトラブルを避けるためには、事前に複数の代替案を検討し、適切な手続を踏むことが重要です。
最終的には、専門の弁護士と連携して対策を講じることが、リスクを最小限に抑えるための最善の方法となります。
解雇に関するお悩みがある場合は、岡山香川架け橋法律事務所までぜひ、お気軽にお問い合わせフォームや電話でご相談ください。
執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所

この記事を書いた弁護士
代表弁護士 呉 裕麻(おー ゆうま)
出身:東京 出身大学:早稲田大学
労使問題を始めとして、契約書の作成やチェック、債権回収、著作権管理、クレーマー対応、誹謗中傷対策などについて、使用者側の立場から具体的な助言や対応が可能。
常に冷静で迅速、的確なアドバイスが評判。
信条は、「心は熱く、仕事はクールに。」
執筆者:弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)
1979年 東京都生まれ
2002年 早稲田大学法学部卒業
2006年 司法試験合格
2008年 岡山弁護士会に登録
2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所
2015年 弁護士法人に組織変更
2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更
2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所
